“市場のプロフ”作ってみた!!『乙嫁語り』森薫
乙嫁語りの世界!!”市場のプロフ”!!
今回は『乙嫁語り』より、第十六話「市場で買い食い」にてアミルたちが市場で購入したごはん料理を作ってみました。

『乙嫁語り』は、中央アジア・カスピ海周辺を舞台とした作品で、食べ物や服飾などそれらの地域の文化が丁寧に描かれている作品です。
とはいうものの、文化習俗に関しても決して作中で明示的・説明的に描かれているわけではなく、登場人物の会話を介して背景に匂わす感じの構成になっています。
よほどきっちりと取材して現地の文化を理解した上で、しっかりとした作品世界観を構築されているのだろうな、と思わされます。
この料理についても、作中では名前が明かされません。それでも登場人物たちの反応やセリフから、この地域の人々にとって馴染み深い食べ物であることはわかりますね。

さて、感心ばかりしているわけにはいきません。
今回作る料理については事前知識が全くなかったのでgoogle先生に”ハミ瓜 中央アジア ご飯”でお伺いを立てたところ、なんと結構な検索ヒットが…。
しかも、そのうちの多くのページが『乙嫁語り』に言及しているという事実。森先生、凄まじい影響力です。
検索の結果、今回の再現予定料理はどうやらウズベキスタンの”プロフ”、あるいはウイグルの”ポロ”といった料理に該当しそうだということが判明しました。ちなみにプロフとポロはほとんど同じ(?)料理のようです。
というわけで、今回はWikipedia、ウズベキスタン大使館のHP、その他諸々のブログを参考に”プロフ(Palov)”を作っていきます。
“プロフ”の具材は何!?
基本的にはプロフの材料は羊肉、玉ねぎ、人参、米なのだそうです。思いの外シンプルですね。
他にもオプションで、アンズや干しぶどう、豆やトマトを入れることもあるそうです。

ただ、アリが主張する”ハミ瓜”入れないそうですけど(笑)。
ハミ瓜というのは、中国ウイグル自治区哈密(ハミ)地区原産のメロンの一種です。古くは皇帝への献上品にもなっていたことからか、おもてなしなどの場面には必ず出されるような食材なのだとか。。
ちなみに、すごく甘いらしい。。
ご飯料理に甘いくだものを入れるなんてありえない、と思うかもしれませんが(厳密にはハミ瓜入れないって作中でも言われてますけど…)。
実はこのプロフ、作ってみたところ野菜の甘みと羊の脂の甘みで予想以上に甘い(砂糖甘さとは別物の食材自体の甘みなので、ちゃんと旨い!!)、まろやかな味わいであることがわかりました。
ドライフルーツとか、普通にあうと思うよ、これ。すごい美味しいと思います。

作り方は作中のプロフ売りのおじさんの作り方に準じますが、玉ねぎと人参の順序はアリの意見に従って、玉ねぎの方を先に炒めることにします。
そして何よりやってみたいのが、これね。
米を焚き上げる際に蓋をするのですが、作中ではなんとお皿を何枚も使って蓋の代わりにするのです!!
とにかく、これがやってみたい。この方法が本場のやり方なのか、『乙嫁語り』オリジナルのやり方なのかは不明ですが…。ともかくやってみたい。
うん、じゃあやってみよう。
“市場のプロフ”の材料
- 骨つきラム肉:2本
- 玉ねぎ:1/2個
- 人参:1/2本
- クミン:適量
- ジャスミン米:1合
- 水:適量
- 油:適量
“市場のプロフ”を作ってみよう!!
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>>野菜を炒めていきましょう。

ウズベキスタンの国民食とも言えるこのプロフですが、ピラフやリゾットなど他国の類似料理とは異なり野菜をみじん切りではなく千切りにするという特徴があります。
玉ねぎ、人参を千切りにして、フライパンで多めの油で揚げるように炒めます。順番はアリのいう通りに玉ねぎ→人参の順番で入れます(笑)。
人参はこんなに?と思うくらいの量入れるのもプロフの特徴の一つですね。
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>>ラム肉を投入します!!

ラム肉は骨から切り離し、2cm角くらいの大きさに切りわけます。フライパンに肉と骨を加えて焼き色がつくまで炒めたら、ここでプロフの要たるクミンの出番です。
クミンを炒めて香り出ししたら、塩で調味してから水を加えてじっくりと弱火で煮ていきます。
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>>米を加えて炊いていきましょう。

ジャスミン米は洗ってから水に浸しておきます。ザルにあげて水をきっったら、鍋に加えて炊き上げていきます。
炊いている最中は、米をかき混ぜないようにしましょう。
さあ、いよいよですよ。。
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>>お皿を使って炊き上げます!!

待ってました。これがやりたかったのです!!小皿を使って炊き上げていきます!!
ただまあ…。これは実際調理という観点からいうとあまり利点があるわけではないのですがね。蓋があるなら蓋をする方が蒸気を逃さなくて済みます。
さあ、あとは炊き上がるのを待つだけです。
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“市場のプロフ”を作ってみた感想
さて、炊き上がったプロフがこちらです!!なかなかの出来でしょう??

というわけで、今回は『乙嫁語り』より、アミルたちが市場で購入したプロフをつくってみました。
野菜の甘みとラム肉の脂の甘みがお米に絡んで、文句なしに絶品でした。次回はドライフルーツなどを加えたものも作ってみたいですね。
一応26cmの鍋で作ったのですが、一人でぺろりと平らげてしまいました(笑)。